禁煙支援

ニコチンパッチなどの補助薬や禁煙外来などを活用して禁煙にチャレンジする方に、費用を補助します。3つのコースをご用意していますので、ご自身にあったコースで挑戦してください。

禁煙補助薬・禁煙外来とは

医療の発達により多くの禁煙補助薬が開発され、禁煙はより手軽にスタートできるようになりました。「禁煙は自分で解決しなければならない」「禁煙はつらく苦しいもの」という思い込みは正しくありません。自力で禁煙するよりも禁煙補助薬や禁煙外来を利用する方が、「比較的楽に」「より確実に」「費用もあまりかからずに」禁煙することができます。

健康保険組合では、禁煙補助薬や禁煙外来を活用して禁煙にチャレンジする方を「ニコチンパッチコース」「モバイル禁煙コース」「禁煙外来コース」の3つのコースでサポートします。

禁煙補助薬とは

ニコチンガムとニコチンパッチは「ニコチン代替療法剤」と呼ばれます。ニコチンが含まれ、皮膚や口腔粘膜の接触面から徐々に体内に吸収されてニコチン切れ症状を軽減し、禁煙しやすくするしくみです。 一方、バレニクリンは脳内のニコチン受容体と結合してニコチンの結合を妨げると同時に少量のドパミンを放出してニコチン切れ症状やたばこに対する欲求を軽減します。

現在広くおこなわれている禁煙治療は、禁煙補助薬でニコチン切れを緩和して禁煙を開始しやすくするものです。禁煙補助薬としては「ニコチンガム(ガム製剤)」「ニコチンパッチ(皮膚への貼付薬)」「バレニクリン(内服薬、チャンピックス)」の3種類が利用できます。日本においては、1994年からニコチンガムが、1999年からニコチンパッチが認可され、さらに2008年からはニコチンパッチの一部市販化とともに内服薬バレニクリンが使用認可されました。

薬剤名 ニコチンガム ニコチンパッチ バレニクリン
入手方法 薬局や薬店で購入。 大、中、小の3種類のうち中と小のパッチは、薬局でも医療機関でも購入できる。大のサイズは医療機関専用。 医師の処方箋が必要。
薬の作用 口腔粘膜の接触面から徐々にニコチンが吸収されてニコチン離脱症状を軽減。 皮膚の接触面から徐々にニコチンが体内に吸収されてニコチン切れ症状を緩和。使用実感は、「吸いたいなとふと思うけど、ほかのことをしているとすぐに忘れてしまう」「吸わずになんとかすごせる」といった人が多い。 脳のニコチン受容体に結合してニコチンの結合を妨げるとともに少量のドパミンを放出させる。使用実感は内服開始後1週間目くらいから「たばこの味がかわった」「おいしさが感じられない」。
使用方法 ゆっくりと数回かんで、平らにしてほおや歯茎に押し付ける。ピリピリしてきたらニコチンが吸収されはじめた証拠。ピリピリがなくなったらまた数回かんで同様に押し付ける。1錠で30分程度だが、ピリピリ感が感じられる間は有効。 1日1枚を皮膚に貼り付けて使用する。 くわしくはこちら 1日1回から2回内服する。食事と無関係に内服してよい。

禁煙外来とは

禁煙保険診療を利用して禁煙を支援する外来です。禁煙補助薬のうちニコチネルパッチまたはバレニクリンが禁煙保険診療として使用されます。内科だけでなくさまざまな科に設置されています。禁煙保険診療は届出をした医療機関のみで可能です。

診療内容は、初めに禁煙や喫煙に関する問診票に記載したあと、呼気中CO濃度測定がおこなわれます(呼気を機器に吹き込む検査)。そのあと状況にあわせて適切な薬の処方や日常生活での工夫などが伝えられます。原則として初診から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の計5回の来訪が求められます。このうち初回から4回目までの来訪時に処方された禁煙補助薬には健康保険が適用されます。なお、禁煙保険診療は入院中には適用されない、年1回しか適用されないなど、ほかにはない決まりがあります。

ニコチンパッチコース

ニコチンパッチを使ってご自身で禁煙にチャレンジするコースです。 薬局に行かなくても、必要な枚数のニコチンパッチをご指定の場所にお届けします。

申込み時期 随時
申込み回数 年度につき1回まで(同一年度に他のコースは申込み不可)
費用 申込み時の自己負担額 19,000円(給与控除) ※禁煙に成功した場合、健保から13,000円を補助します(実質自己負担額 6,000円)
必要期間 8週間
備考
  • ニコチンパッチ8週間分(56枚)が届きます
  • 医薬品です。説明文書の使用上の注意をよく読み、用法・用量を守って正しくお使いください。

モバイル禁煙コース

指導員とのビデオ面談や専用のアプリの支援を受けながら、禁煙にチャレンジするコースです。 薬局に行かなくても、必要な枚数のニコチンパッチをご指定の場所にお届けします。

申込み時期 随時
申込み回数 年度につき1回まで(同一年度に他のコースは申込み不可)
費用 申込み時の自己負担額 26,000円(給与控除) ※禁煙に成功した場合、健保から18,000円を補助します(実質自己負担 8,000円)
必要期間 12週間
備考
  • ビデオ面談は5回(スタート時、2週目、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目)
  • ニコチンパッチ8週間分(56枚)が届きます
  • 医薬品です。説明文書の使用上の注意をよく読み、用法・用量を守って正しくお使いください。

禁煙外来コース

禁煙外来に通院して、医師のサポートを受けながら禁煙にチャレンジするコースです。 禁煙補助薬は喫煙の状況に応じて内服薬(またはニコチンパッチ)が医師から処方されます。

申込み時期 随時
申込み回数 年度につき1回まで(同一年度に他のコースは申込み不可)
費用 禁煙外来の窓口での支払い費用 13,000円~20,000円程度(通院5回分。保険適用の自己負担分として) ※禁煙に成功した場合、健保から上限13,000円の実費を補助します(実質自己負担 0円~7,000円)
必要期間 12週間
備考